「賢者の設計」の最低投資金額が100万円になったワケ

株式投資の最低投資金額は、数十万円からが一般的と言われ、投資信託に関しては、金融機関やサービスによって100円や1000円程度の少額からスタートできるものもあります。ここでは、グローバル・サプライチェーン・ファンド「賢者の設計」の最低投資金額(100万円)について解説します。
最低投資金額100万円は高額なのか?
グローバル・サプライチェーン・ファンド「賢者の設計」の最低投資金額は、100万円です。
近年は投資信託の最低投資金額を100円とする事例も増えており、「賢者の設計」の最低投資金額は、少し、いや、かなり大きいと感じる人もいるのではないでしょうか。しかし、「賢者の設計」を含む「オルタナティブ資産への投資(以下、オルタナティブ投資)」においては、100万円という設定は実は決して高額ではありません。
「オルタナティブ資産」とは?
「オルタナティブ資産」とは、上場株式や債券といった伝統的資産に対し、それ以外の代替資産の総称のことです。オルタナティブ資産を投資対象とするファンドには、不動産、インフラ、プライベートエクイティ(未上場株式)、そしてヘッジファンドなどがあり、伝統的資産とは異なるリスク・リターン特性を持つことから、有力な分散投資先として国内・海外のプロの投資家を中心に注目を集めています。
「賢者の設計」の投資対象である売掛債権も、このオルタナティブ資産に含まれます。
オルタナティブ投資は、主に機関投資家や年金基金、政府系ファンドの他、超富裕層がリスク分散や新たな収益機会を得るために行ってきた運用手法で、仕組みが株式や債券と比べて複雑であり、投資の知識・経験を持つプロ向けの商品としてこれまで提供されてきました。また最低投資金額の大きさも、一般の個人投資家にとっては高いハードルとなっています。

ヘッジファンドの最低投資金額は1,000万円以上が一般的
例えば、オルタナティブ投資の代表的な運用商品であるヘッジファンドは、ショート(空売り)戦略をはじめとする運用手法を駆使し、市場が上昇しても下落しても利益を追求することを目的としたファンドです。ヘッジファンドは、投資信託と同様に、投資家から集めた資金を運用のプロに預け委託する金融商品ですが、多額の資産を保有する特定の投資家から出資を募っているため、運用手法の自由度が高く大きなリターンを得られる可能性があります。その反面大きな損失を被る可能性もあり、リスク許容度の高い投資家向けの商品です。また最低投資金額も高額となります。ヘッジファンドは、一般的に数千万円から数億円という最低投資金額が設定されています。限られた人数の投資家から資金を集めるので、最低投資額を下げると十分な出資額が集まらず、意図通りの運用ができないことがあるためです。

なぜ「賢者の設計」は100万円なのか?
ヘッジファンドなどのオルタナティブ投資は、通常は私募投信として機関投資家を中心にプロの投資家のみに限定販売され、非公開のケースも多く、どこでどうやって買えるのか分からないものがほとんどです。
「賢者の設計」の類似戦略も、2021年より私募投信として主に銀行等の機関投資家向けに最低投資金額1億円で販売されてきましたが、2025年4月より「賢者の設計」が、公募投信として個人投資家向けに最低投資金額100万円でオンラインを通じて販売が開始されました。その際、一般の個人投資家が投資できると同時に、長期にわたって効率的かつ安定的に運用できる金額を模索した結果、最低投資金額は100万円となりました。
また、「賢者の設計」では、購入から売却までにかかる費用を抑えて投資できます。運用会社である当社が自ら勧誘及び募集を行うため、購入時にかかる販売手数料は発生しません。そして、日々発生する費用(信託報酬)においても、販売関連報酬は最低限に設定されており、投資家に資する形態となっています。
時間分散は不要!? ほったらかしでも一喜一憂せずにOK
とはいっても、1度に最低100万円を投資するのであれば、タイミングが気になるという人も多いのではないでしょうか。例えば2024年夏に株式市場で歴史的な乱高下が起きたことから、二の足を踏んでしまう人もいることでしょう。
しかし「賢者の設計」は、上場株式や債券の価格とは基本的に連動せず、伝統的資産に比べ安定的に運用できるのが特徴です。為替ヘッジありコースは、2018年設定の類似戦略(私募投信)において、コロナ禍や株式相場の急落時期も含めて円ベースで年率約4%のリターンを実現し、マイナスになった年はなく、まとまった資金をいつ預けても安心して運用できています。
米国ではトランプ政権が誕生し先の読めない投資環境が続く昨今、オルタナティブ投資の中でも比較的少額から始められ、また時間分散も原則不要で、市場変動に対する耐性も強い「賢者の設計」は、個人投資家にとって魅力的な運用商品になり得ると考えています。
